アイホール・セノグラフィー2002-2022

「アイホール・セノグラフィー2002-2022」展

2002年〜2022年にかけてアイホールで行われた公演の舞台美術(セノグラフィー)を、数々の美術プランナーによる様々な資料展示でふり返ります。
その「試み」の軌跡は、より演劇作品への興味深めるもので、アイホールという劇場・場所に対する理解にもつながるはずです。
舞台美術に興味を持つきっかけとして、また様々な舞台美術家(プランナー)が活動している・活動してきたことを、可視化することは、次世代の舞台美術家・舞台スタッフの道標にも後押しにもなるでしょう。

@アイホール3Fギャラリー


【出展者】

新井真紀
糸井幸之介
今井弘
内山勉
岡一代
笠井友仁
加藤ちか+じょん万次郎
カミイケタクヤ
サカイヒロト
さくらの・ステファニー
佐野泰広
柴田隆弘
杉山至
竹内良亮
竹腰かなこ
中村友美
長田佳代子
西田聖
西本卓也
原田愛
hige
本田夏実
松本謙一郎
吉川亮


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子どもの頃、将来の夢は「軍師」になることだった。張子房臥竜鳳雛半兵衛官兵衛。歴史を彩るきらびやかな軍師たち。古代中国の兵書の研究に没頭すべく大学では中国文学を専攻したのだが、ある日友達に誘われ小劇場の演劇サークルの公演を観たのがいけなかった。「論理的な思考」「冷静な判断」などとはかけ離れたその世界にショックを受け、すっかり魅了されてしまい、そのままその劇団に入団してしまった。
20年後、身も心も「演劇の舞台スタッフ」となった自分がいるわけだが、先日辞典を調べていて驚いた。もともと「スタッフ」とは軍事用語で、参謀や諜報員を指すらしい。
知らない間に夢、かなってた。意外。

初出:京都舞台芸術協会メールマガジン01〜22(2007年ごろ?)
西田聖氏、プロフィール文

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昨年からアイホールをとりまく状況や問題について、東京の知人に話をすることが多くあった。もちろんアイホールは全国的に知られて評価されている劇場ではあるけど、演劇の世界も、それも東京の演劇界隈は広い。当然、アイホールの存在も、なんなら「伊丹」がどこにあるどういう街なのかまったく知らないという反応を得ることもあった。
そこで、伊丹が地理的にどういうところなのかを説明しようとするのだが、関西に土地勘がないひとには上手く伝わらない。そういうときテッパンなのが
「あの信長に叛いた荒木村重が籠城した、有岡城の跡地に建っている劇場」
という説明。
荒木村重でわからなくても、信長・秀吉でわかるひとも多いし、なにしろ大河ドラマになったので
黒田官兵衛が一年間捕らえられていた、あの城!」
と言うと「ああー!」と、話が通じる。

そこで、先の西田氏のテキストである。
今回、この「アイホールセノグラフィー2002-2022」展は、この20年間、幾多の「軍師たち」がこの城(アイホール)をどう攻めたのか?という軌跡でもありましょう。

企画発起人・松本謙一郎
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プロデュース:松本謙一郎
展示施工チーフ:サカイヒロト